コンピエーニュを見つめるジャンヌダルク

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コンピエーニュの市庁舎とジャンヌダルクの像

 

ジャンヌ・ダルクは1430年5月23日、コンピエーニュに入城する。
そして、オワーズ川沿いのブルゴーニュ軍に奇襲をかけるために、灰色の軍馬にまたがり、軍旗を高く掲げ街の外に出陣する。
しかし、攻撃は失敗し、退却する。軍はオワーズ川に架けてあった船橋に殺到する。
ジャンヌたちは、味方の退却を助けるために最後まで戦っていたが、コンピエーニュの守備隊長は街を守るため、はね橋を上げ、城門を閉めてしまった。
城外に取り残されたジャンヌに対し、敵の弓兵が、彼女の金襴の陣羽織をつかみ、思いっきりひっぱったため、彼女は落馬し、地面にどっと倒れ、囚われの身となってしまった。
このときの守備隊長の行動にも諸説あり、彼はジャンヌを裏切ったのだ、という意見もあれば、街を守るため仕方なかったのだ、という説もある。
どちらにしろ、見捨てられたような形になってしまったのことは確かであり、そうみると、市庁舎に一人立ち、対峙している彼女の像が、落馬したあとの彼女の状況や、街に対する思いを象徴しているようにも見える。
ちなみに、藤本先生の本によると、コンピエーニュには砦跡があり、ロワーズ川には橋跡もあるらしいが、自分が訪問した時は全く見逃していた。

ジャンヌ・ダルクの生涯、藤本ひとみ著 中央公論新社 及びジャンヌ・ダルク レジーヌ・ペルヌー著 福本直之訳 東京書籍 を参考にしました。)