権力の重みを感じて (ヴァチカン周辺)

ローマに着いた翌日、まずヴァチカン博物館に行く。
時間前に着くが、すでに長い行列が出来ていた。ゆるやかな坂で開館を待つ。
時間が来て、中に入る。
まず、ピオ・クレメンティーノ美術館では八角形の間の彫刻群が美しい。多くのギャラリーが、彫刻の前で写真を撮ったりしている。
システィーナ礼拝堂ではみんなごったがえしている。ミケランジェロの天井画を、首が痛くなるくらい一生懸命見る。
博物館を出て、サン・ピエトロ大聖堂に行く。中の豪華さに圧倒される。フランスの大聖堂の内部に比べて、キンキラキンと輝いている。ピエタ像は生き生きと表現されている。
オレンジと紺のストライプの閲兵のそばを通り、サン・ピエトロ広場に出てくる。総本山の重みを感じる。宗教とは一つの権力だということを実感する。もちろん権力自体が悪いとは思わない。それを人々がどう使うかが肝心なのだ。
過去のヴァチカンの法王でも、いろいろな人がいたようだ。権力が腐敗してた時代もあったようだ。まあそのおかげで、今その豪勢な宴の跡のすばらしい芸術作品を見ることができるのだが。
ぼくはクリスチャンではないが、先ごろ亡くなられたヨハネ・パウロ二世はやはり偉大だと思う。保守的で現代社会にそぐわない面もあったかもしれない。しかし異なる宗教の融和をはかるため、特に晩年、お体が不調にもかかわらず、活動された姿は尊いと思う。
広場を出て、サンタンジェロ城に行く。内部に入り、ぐるりと建物を登っていく。テラスからヴァチカン、またテヴェレ河向こうのローマの街並みが見える。頂上の聖天子像はポーズがきまっておりカッコイイ。
橋を渡り、ローマの街中を歩き、パンテオンまでたどり着く。どっしりとした古代ローマ建築に加え、天井の穴から光が差し込む構造にありがたみを強く感じる。
そのすぐそばのサンタ・マリア・ソプラ・ミネルヴァ教会に入る。ここの「十字架を持つキリスト像」はたくましく表現されており、新鮮に感じる。
ドーリア・パンフィーリ美術館に入る。内部の装飾と、ずらりと並ぶ彫刻が豪華だった。