ローマの夏の緑

この日はまずテルミニ駅近くのサンタ・マリア・デリ・アンジェリ教会に行く。
その前にロータリーになっており、交通量も多い。真ん中には噴水がある。
この教会はローマ時代の大浴場を利用しており、概観はなかなかユニークである。
中に入るとやはりキンキラキンという感じである。またフランスと比べると、席がひざまずける様にもなっており、信仰がより深い印象を受ける。
続いてその近くのサンタ・マリア・デッラ・ヴィトリア教会にも入る。この中に「恍惚のテレーザ」という作品がある。これは修道女が天使の矢にさされ、恍惚の状態になったのをあらわしている。日本語の解説もあり、それを読むといやらしい意味ではなく、たいへん官能的に感じる。
引き続き高級ホテルが並ぶヴェネト通りを登っていき、ボルゲーゼ公園に向かう。この中のボルゲーゼ美術館に入るが、入場時間が固定されており、かなり待たなければならないので、見学は諦める。
緑に囲まれた公園の中を歩く。この日は天気もよく、たいへん心地よい。しばし街中の雑踏から離れ、ローマの夏を楽しむ。
小さい動物園や池がある。池に面するかわいらしい聖堂はエスクラピオ聖堂というらしい。てこぎボートがそのそばを通り過ぎる。また少し坂を降りる途中に、ちっちゃな装飾つきの泉があり、夏の光をきらきらと反射させていた。
そうこうする内に、ポポロ広場に出る。おそろいの教会が並んで建っている。双子教会との愛称があるとのことだ。なかなかおちゃめでよい。
改めて、そばのポンチョの丘に登る。夏の空の下に、オベリスクを中心とした広場、そしてローマの街が広がっていた。古代遺跡・カソリックルネサンス・夏の緑、とさまざまな表情を見せてくれたローマの旅もこれで終わりだ。
帰りの飛行機に乗る。地中海が夕陽に照らされている。コルシカ島の上空をかすめ、パリに戻って行った。