ヴィエンヌの気になる砦

リヨンから古都ヴィエンヌに行く。
この街も、リヨンと同じく、ローマ時代からの伝統ある街である。しかし、そんなに大きな街でもない。
崖のそばの駅に着く。なんとなくさびれた感じである。
まずいつものごとく、案内書に行き、地図をもらう。神殿風の寺院や、古いカテドラルを回る。そのうち、山の上の砦が気になった。それこそ、ローマ時代からあったようなものだった。
観光の順路を離れ、そこに上る道がないか探しているうちに、貧しいアパート群のところに来てしまう。
しかたなく砦はあきらめ、展望台に向かう。
展望台から街を眺める。小山にはさまれて、平地がへばりつき、間をローヌ川がゆったりと右に曲がっていく。ここに街を創った人の気持ちがわかるような気がする。
展望台の後ろに大きいマリア像がある。逆光に苦労しながら写真に撮った。
すぐ下を見下ろす。ローマ劇場がある。
降りて行き、中に入る。チケット売りのお兄さんが妙にやさしい。
人がほとんどいない。他のローマ劇場の遺跡と同じく、ここもジャズフェスティバルなどのコンサートに使用されているとの事。ちゃんと整備されている。
歩き回ったり、座りまわったり?する。
劇場をでると、すぐそばが最初に見かけた門の遺跡だった。かなり遠回りしたことに気づいた。
あらためて川のほとりに行く。そばの幹線道路を車が走っていく。
昼になったので、食事できるところを探す。カフェやブラッセリーが並ぶ通りがあり、手ごろなところを見つける。青い空の下、外の席をとる。ビールを頼み、食事にはなおかつミネラルウオーターを頼む。
食事を終えて、歩く。見上げると、やはりあの砦があった。
もらった薄いガイドブックを見るが、特に深いいわれはなく、古いものでもなさそうだった。しかし、ずーと昔から、この街を見続けているような気がした。
砦に見送られながら、電車に乗り、リヨンに戻る。