セーヌの川辺

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セーヌの川辺
池澤夏樹 著
集英社
2008年9月10日 第1刷発行

現在、フランスのフォンテーヌブローに住んでいる、池澤氏による、フランスを中心としたエッセイ集。
以前NHKの「星の王子様」の特集番組に出ておられ、のんびりとした地平線が広がるなかで話をする池澤氏を映し出していた。昨日も、ゴーギャンに関する番組に出ていた。

フランスは「街頭民主主義」のくに。何かと言うと、すぐにデモを起こしている。それで不便をこうむっても、わりと寛容なフランス人。「フランスの街路はいつだって20歳だ」というリベラシオン紙の見出し。

美しいフランスの景観。歴史的建造物に関する規定が存在する。ある建物が歴史的建造物と認定されると、その周囲500メートルにある建物のすべてが規制の対象となる。その歴史的建造物と調和することが必要となる。
またマルロー法と呼ばれる法は、地区を決めて、伝統的な建物の外部を修復しつつ内部に近代的な設備を設置して使用に耐えるようにすること。また広告や看板の規制も厳しい。
景観を公益として官僚にその管理をさせる点において、フランス国民は国家を自分のものと思っている。

パリの公共自転車。自転車の整理工場はセーヌ川に浮かぶ船の上にある。返したいときに空きスペースがないとか、自転車レーンがあまりないのが難点。

セーヌ川や運河など。内水面に恵まれたフランス。閘門で水位差を調整していく。(ストラスブールの遊覧船めぐりをした時、やはり小型の閘門で水がジャーと流れていくのを間近で見たことを思い出す。)