フランスの田舎町めぐり

イメージ 1

イメージ 2

フランスの田舎町めぐり
海外旅行選書
ヘンリー・ジェイムズ 著
千葉雄一郎 訳
図書出版社
1992年10月30日 初版第1刷発行

アメリカの作家、ヘンリー・ジェイムズによる、1882年9月から11月の初旬までの、フランスの地方都市を歴遊した記録。細かい所は現在とは違うのだろうが、大聖堂や城の模写については参考になるものと思われる。

原題はA Little Tour in Franceとなっている。訪問している街も、現在の感覚では、田舎町というよりかは、地方都市という感じである。

フランス革命の亡霊と、ドイツ人の侵略の跡がまだ随所に見られる時代だった。そんな中、トゥレーヌ地方や、プロヴァンスなど、今でも観光地として名高い各地を、列車や乗合馬車で巡る。

フランスの地方において、ノルマンディやブルゴーニュ、そしてプロヴァンスはそれぞれの地方色が出ているが、トゥーレーヌは本質的にフランスである。

アンボワーズの城からの展望に感動する筆者。ロワール河沿いの古い館の中でも最高ではないかととのこと。
(ただし筆者はシノンは都合がつかず訪問できなかった。シノンも城からの眺めは素晴らしいと思う。)

暗闇の中で観たブールジュの大聖堂の威容。
「星星は天空いっぱいに光を放ち、海でひとり泳ぐ人に迫ってくる黒い船体さながらに巨大でがっしりとした教会が、ひしひしと私に迫ってくるように思われた。それは並外れて大きく、驚くべき暗黒の巨船のように思われた。

アルルの劇場。月光の中で「ほっそりした二本の柱は、まるで二人の役者が無言で立っているかのように見えた。