フォンテーヌブロー内部のキーワード

「ルイ15世の翼館」から建物の中に入る。
内部の装飾を一言で言うと、「イタリア、ルネサンスへの憧れ」となるだろう。
豪華絢爛な装飾はそれをよくあらわしている。
面白かったのは、百合の花飾りをつけた象の絵だ。
この象はフランソワ1世の象徴とのこと。
全土にわたり他の全てのものよりも優れている権力をイメージしているとのことだ。

内部のことでもう一つキーワードを言うなら
「勤勉なナポレオン」くらいだろうか。
「ディアナの回廊」という見事な天井画と、地球儀が印象的な図書室がある。
ここの蔵書はもともとナポレオン1世の蔵書であった。
また地球儀も彼がチュイルリー宮殿で使用していたものだという。
あとナポレオン関係では、「浴室の通り抜け」も印象に残った。
彼は深夜にまで執務した後、陽光が射してくると、風呂を要求した。
そして5時に再び横になり、遅くとも7時には目を覚ました、という回想録がある。

そんな勤勉な彼も、「皇帝の私室」(別名「退位の間」)で1814年4月6日、退位証明に署名し、同年4月20日、馬蹄形の階段そばでの儀式のあとエルバ島に向けて出発する。
その部屋の、小さな丸テーブルが、何となく物悲しかった。