アルルのサン・トロフィーム聖堂のファサード

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アルルにおけるロマネスク建築の傑作、サン・トロフィーム聖堂の前に立ちます。
この聖堂の前身は、キリスト教の殉教者ステパノ(ステファン)に捧げられたものでした。
南フランスの記事を書くためにお世話になっている「南フランス古代文明紀行」では、「7世紀に聖トロフィムス(トロフィーム)がユダヤから聖ステファンの頭蓋骨を携えて帰り、サン・ステファンに献じたのが起源」と書いていましたが、聖トロフィームは3世紀の人なので、この内容は誤りかもしれません。
その後、8世紀のサラセンのアルル侵入による教会破壊などにより荒廃しました。
しかし聖トロフィムスの聖遺物をアリスカンから移すことに伴い、1078年から1152年に改築されました。
正面扉口の装飾は1190年頃に完成したそうです。
緋色の扉の上部に位置する半円型部分にはキリストの「最後の審判」が彫られています。
そして扉の両側には聖トロフィムスを含む聖人たちが彫られています。
ロマネスク建築のイメージからいうと、正面上部のシンプルさの方がロマネスクらしいのかなと、勝手に思ってしまいます。
(週刊ユネスコ世界遺産No.30も参考にしました)