晩秋のサンジェルマン・アン・レー

11月の午後、ふと思い立ち、パリからサンジェルマン・アン・レーに行く。
寒いことは寒いが、天気は良い。
パリの地下鉄1号線の延長線上にあるRERに乗れば、20分ほどで着く。
駅を降りて、シャトーのそばを通り、まずは庭園に行く。
やたら長いテラスに着く。
そこからパリの方向を眺める。ちょっとした森の向こうに、新凱旋門を含むビル群がある。これじゃパリもただの近代都市だ。
つくづく中心地に超高層建築を持ってこない(モンパルナス以外)、パリの都市計画のありがたみを感じる。
ながーいテラスに沿って歩いていたら、なんとぶどう畑があった。そばの解説書によると、昔々はこのあたりでぶどうを作り、ワインを醸造していたのだが、一時中断していたらしい。そして2000年にまた再開した記念すべきものだとのことだった。
さらに向こうには森が広がる。行ってみたかったが、時間もないし、歩くのもしんどそうなのであきらめる。

シャトーに入る。
ここは国立考古学博物館になっており、ガリア時代の遺跡も多く見られる。当時のよく保存されたモザイク画もあった。日本に帰ってから読んだガリアに関する本で、ここの遺跡も多く写真で紹介されていた。つくづく今の知識を持って、あらためて訪問したいと思う。フランス在住時の思い出にふけっていると、こんな気分になることばっかりだ。
シャトーの窓から庭園を見る。窓の手前にフランス国旗が5本もまとめて飾られているのが見える。何か深い意味があるのだろうか?
見学し終わり、展示物に刺激されたのか、売店でフランス語によるフランスの歴史書を買う。といっても子供向けのかわいいイラストが入っている本なのが情けない。

シャトーを出て、再びテラスからパリ近代都市を眺める。ちょうどいい具合に夕陽が高層建築群を照らしてくれていた。これなら少しはサマになる。