霧に浮かぶフランスの庭 ロワール

ジュマイユ美術館を出て東に向かう。
まだ霧は晴れない。
ロワール川の近くにある職人の組合博物館に入る。
家具などの展示品を見る。
すぐそばにトゥレーヌ・ワイン博物館がある。ワインに関することなので、チェックしておきたかったのだ。
階段を下りて行く。
入り口を見るが、残念ながら閉まっていた。この時期、一時的に閉鎖していたようだ。

さらに東に行き、城塞の遺跡があるところから、サン・ガシアン大聖堂に行く。
ここで昨日のバスに乗っていたスペイン三人娘にすれ違う。
大聖堂のそばには、必ず物乞いの人がいる。少し避けて、中に入る。
この大聖堂もフランスに多い、ゴシック建築である。
正面から見ると、特に上の方は、装飾が多く、少し落ち着きがないように感じる。
あくまで個人的な好みだが、シャルトルのようにすっくと尖塔が天に伸びているか、パリやアミアンのようにもう少し落ち着きがあるほうがいいように思える。
しかし、そばの美術館のきれいな庭園から見た、サン・ガシアン大聖堂の後姿は、霧の効果も相まって、装飾を抑え、美しく見えた。

トゥール行きに際して、さる女性から引き継いだガイドブックを持っていったのだが、その中の地図の一箇所に手書きで名前が書いてあったので探してみる。
そこは小さなホテルになっていた。
他人のことはあまり気にしないたちなのだが、このときばかりは、どの城に行ったのだろう、誰と行ったのだろうなどと余計な詮索をしてしまった。

昼過ぎ、「フランスの庭」からパリに戻る。