ハンザ同盟都市タリン

タリン駅から旧市街に戻る。
時間は午後3時頃だったと思う。午前の中途半端な時間にマクドナルドを食べたので、また少しおなかがすいてくる。
何か食べれるところはないかとうろついていると、中世の衣装で客引きをしているのを見つけた。しばらく進むと、簡易な木の屋台のカフェで、中世の衣装を着た若い人たちが給仕をしているのを見かけた。
面白そうなので入ってみる。名前はOlde Hanzaといい、ハンザ同盟時代をイメージしたものだ。
そこでサラダとビールを頼む。さすがに食器もその時代の雰囲気にあわせている。
ビールはSakuといい、エストニア産のものだ。日本に帰ってから、テレビ番組「マネーの虎」で、このビールを日本で売り出そうという人を見た。商品説明時にはこのビールがいかにうまいかPRしていたが、目隠しで試飲後、結局たいしておいしくないことがわかり、虎達からお金を出してもらう事はできず、すごすごと帰っていった。
タリンで過ごしたこの時は、オープンカフェで雰囲気もよかったこともあり、結構おいしく飲む事ができた。
周りの客は、給仕達と一緒に写真を撮っていた。自分も撮ってもらおうかと思ったが、なんとなく気恥ずかしかったので頼めなかった。
カフェを出て、再び旧市街をうろつく。三姉妹と呼ばれる家の前を通る。三軒の同じような風情の家が並んでいる。
そろそろ帰りの時間が来たので、太っちょマルガリータの所から港に向かう。この中は海洋博物館らしいが、見学はしなかった。そばの芝生のところから、その重厚な搭を再び見上げる。
港近くの建物からタリンの街を眺める。ここからだと逆光のせいで街のたくさんの搭が煙突のように見え、あたかも工業地帯のように見えた。
実際のタリン旧市街は面白く、美しかった。石畳の街を夢中になって歩き回り、かなり足も痛くなっていた。
エストニア出国の手続きはすぐに終わる。主なEU内の国と違い、ちゃんとパスポートにハンコを押してもらえるのが嬉しい。
再び高速艇に乗る。窓際の席に、帰りは一人で座る。
高速艇は勢いよく進んでいる。ときどき窓ガラスに波しぶきがあたる。
曇っていたが、雨の心配はなさそうだった。夕方のバルト海を北に向かう。
再びヘルシンキに着く。入国手続きは結構待たされる。若いお姉さんが、入国担当官にいろいろ言われている。お説教されているような感じだ。結局入国自体はちゃんとできたようだが。
自分の番が来る。「タリンは良かったか」と厳しい表情で聞かれる。勿論力強く「イエース」と答えた。外はすっかり暗くなっていた。路面電車でホテルまで帰る。かなり疲れていたので、夕食は贅沢にもルームサービスを頼んでしまった。

Olde Hanzaのアドレス
http://www.oldehansa.com/