アルフォンス・ドーデの書いたパリ・リヨン駅

 
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まいにちフランス語10月号より、アルフォンス・ドーデ(1840-1897)の「プチ・ショーズ」からの抜粋です。
ドーデは「風車小屋だより」などの作品の作者ですが、日本では「最後の授業」が知られていますね。
当時のパリ・リヨン駅に、午前3時ごろ着いたときの様子です。
 
『列車のドアのほうへ駆け寄った。家ひとつない。あるものといえば、草木一つない荒地と、いくつかのガス灯、そしてそこここに積まれた大きな石炭の山だけ。それから遠くに、大きな赤い灯が見え、海のうねる音のようなごうごうという鈍い音が響いた。
一人の男が、小さなランタンをさげ、ドアからドアへとわたりながら大声で叫んでいた。「パリ~!パリ~!切符を拝見!」思わず恐ろしくなって首をすくめた。それがパリだった。
ああ!ばかでかくて恐ろしい街よ。』
 
このころにはリヨン駅の周りには特に何もなかったのですね。
確かにグーグルマップとかで見ても、パリ中心地のような古さは感じず、ベルシーなどの新しい感じのする街並みになっています。