カミーユ・ピサロと印象派 講演会より

現在開催されている「カミーユピサロ印象派」展の講演会で聞いたことをメモっておきます。
 
「パティの眺め、ポントワーズ」で真ん中に小さく描かれた汽車。
ピサロの絵には田園のほかに、汽車や工場、そして市場の様子などがよく描かれている。
何気ない風景・人物の美しさを探究している。
 
ポントワーズのエルミタージュ地区で、ピサロは家を四回ほどかえて住み続けた。
ちなみにエルミタージュとはロシアのエルミタージュ美術館とは関係ない。ただの地名。
(フランス語の辞書で調べてみると、隠者の住まい、隠棲所という訳があった)
 
ピサロがポントワーズに住んでいた時期と、印象派展の時期はだいたい重なっている。
第一回で評論家に「もう私はキャベツなんか食わない」と酷評されたキャベツ畑の絵画もポントワーズが舞台である。
第七回まで、だいたいポントワーズを描いた絵画を出品している。
 
ピサロセザンヌはポントワーズの同じ場所で一緒に写生していたこともある。
同じ場所でも、やはり個性の違いでまったく違う感じの絵になっている。
セザンヌの影響を受けたとはっきりわかるピサロの絵も残っている。
ピサロの有名な絵画「ポントワーズの花咲く菜園、春」も、同じところから描いたセザンヌの絵が残っている。
 
 
ピサロは前景の木々が中心となっているのに対し
セザンヌは木がほとんどなく、後景になるはずの家々が中心になっている
印象派全集では、単にセザンヌが遅筆のため木々を描かなかったとあったが、それよりも画家の個性と考えたほうがいいような気がする)