パリ~ルーベ、北フランスを駆け抜けるTGV

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先週のツール・デ・フランドルに続き昨晩も、伝統ある自転車ロードレースであるパリ~ルーベを見る。
この時期、ベルギー周辺では、ロードレースが盛んである。このレースは、ベルギーと国境を接するフランスのノール・パ・ド・カレ州(地域圏)を主な舞台として行われる。
沿道の応援用の国旗が、フランス国旗よりも、フランドルやベルギーの国旗が多いような気がするのも国境地帯ならではの情景である。
また所々でいろいろな種類の巨人の人形を飾っていた。ベルギーの複数の街でも巨人の人形を名物にしているので、この地域特有の伝統かもしれない。
 
このレースの特徴は、なんといってもコースにパヴェ(石畳)の道を多く設定していることである。
悪路にがたがた揺らされながら走るため、パンクや落車も多く、危険で激しいレースなのである。
今回はレースの動き自体も早く、中盤で早くも有力選手による先頭グループ形成になってしまった。
通常のレースだと中盤の段階においては、有力選手は同じチームの選手のサポートで安全な位置をキープし、体力を温存しているので、あまり目立つことはないのだが、この日は違った。
特にフランドルで2位だったボーネン選手が積極的にというか、むやみにペースを上げていく。中盤でそんなことをしているとスタミナが最後まで持たない恐れがある。
その異常な動きは、どうやら同じトップグループで、フランドルで脅威の走りを見せたカンチェラーラ選手を強く意識し、何とか撹乱してやろうという考えからきたものらしい。
しかしその動きもまったく裏目に出る。カンチェラーラがロングスパートをかけると、あっという間にみんな引き離されてしまった。
結局そのまま、自転車ロードレースには珍しく、一人で向かい風を受けているにもかかわらず独走し、大差で優勝した。
J SPORTSの解説の方々もこの走りには絶句していた。ちょうどコースのそばを走っていたTGVを上空からのカメラが捉えたとき、ぼそっと、「これがカンチェラーラですね」と真面目にボケをかましておられた(笑)。
今シーズンは「スイスのTGV」、カンチェラーラから目が離せない。
 
(写真は公式HPからのものです。巨大な人形が面白いです)