欧州カフェ紀行

欧州カフェ紀行 表紙

 

欧州カフェ紀行

カフェの旅で出逢う、珈琲と人生の物語

Aya Kashiwabara 文・写真

飯貝拓海 写真

いろは出版 発行

2021年9月28日 第2刷発行

 

ローマのアンティコ・カフェ・グレコ

文豪ゲーテが愛したカフェ

デミタスの発祥地

深入りの豆で淹れた少量の凝縮された珈琲を小さなカップで飲むもので、エスプレッソの原形

ナポレオンの大陸封鎖の影響でヨーロッパ中が珈琲不足にあえいでいた頃、豆を節約するために編み出された苦肉の策

珈琲不足の時

アメリカではたっぷり飲めるように薄め

イタリアは濃く飲めるように量を少なくし

ドイツはチコリやどんぐりで高品質の代用珈琲を生産した p88

 

クラクフポーランドの古都

11世紀から約600年にわたり、ポーランド王国の首都として栄える。

第二次大戦時は連合軍はその街並みを残すため爆撃を避けたといい、クラクフはかすり傷一つなく残された。p114

クラクフの歴史地区は1978年に登録されたユネスコ世界遺産第一号

 

カフェ・アルヘミア

このカフェがあるカジミェシュ地区はユダヤ人を隔離するゲットーとして作られたのではなかった。

世界で唯一ユダヤ人を保護するために新設された地区

 

パリに最初のカフェが出来たのは1686年

これ以前にもカフェがあったのだが、それらはトルコの屋台風でパリの上流階級には受け入れられず消えていった。

そんな店の一つで修行していたイタリア人が路線を変えてオープンしたのは「カフェ・プロコップ」である。

これまでのオリエンタルなカフェをフランス風に洗練させた。p215

 

プラハのカフェの特徴

ドイツとチェコの一筋縄ではいかない歴史的関係を示すように

三つの文芸カフェが言語別に連立していた。

チェコ語優勢、ドイツ語優勢、チェコ語とドイツ語両用で討論できるカフェがあった。p227

 

香草の成分名からとった「アブサン」という名は必然か偶然か、ラテン語で「不在」を意味するp229

 

スメタナの「わが祖国」

モルダウの流れ」はその第2楽章を引用したもの。

スメタナ50歳を超えてからの作品

当時はチェコオーストリア=ハンガリー帝国の一部で、川の名も日本にはチェコ語の「ヴルタヴァ」ではなく、ドイツ語の「モルダウ」として入ってきている。p274-275

 

紅茶のブランド、トワイニング社がロンドンにオープンした「トムズコーヒーハウス」

「チップ」の発祥地

TIPはTo Insure Promptness(素早いサービスを提供します)の略で、TIPと書かれた店内の箱に2ペンス入れるとより早くサービスしてもらえた。p274-276