「フランスの島」の議長、フランス大統領候補に

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2016年、訪日時のヴァレリー・ペクレス イル・ド・フランス地域圏議長

 

(フランス大統領候補として、共和党からヴァレリー・ペクレス氏が選出されました。
まずは毎日新聞の記事から)

フランスの中道右派の野党・共和党は4日、来年4月のフランス大統領選に向けた予備選で、首都パリがあるイルドフランス地域圏議会のバレリー・ペクレス議長(54)を党公認候補に選出した。

 仏大統領選は1回目の投票で過半数に達した候補がいなければ、上位2人が決選投票に進む。世論調査では現職のマクロン大統領(43)が優位に立ち、極右政党・国民連合のマリーヌ・ルペン氏(53)と極右の政治評論家エリック・ゼムール氏(63)が2位争いをする。展開次第ではペクレス氏にも決選投票進出のチャンスが出てくる可能性がある。ペクレス氏の主張はマクロン氏に近いとされ、極右候補に抵抗感のある穏健保守層を巡ってマクロン氏と激しい争いになりそうだ。

 ペクレス氏はエリート官僚養成校「国立行政学院」を卒業。学生時代に日本語を学んだ知日派として知られる。11月には日仏両国の相互理解に寄与したとして、旭日中綬章の受章が決まった。サルコジ政権で閣僚などを務めた。

 伝統右派の共和党で女性の大統領候補は初めて。ペクレス氏は「私はメルケル独首相やサッチャー英元首相のように、国民の利益を守ることができる」と訴えている。近隣国の女性リーダーのイメージを自身に重ねることで共和党のイメージ刷新を図り、支持拡大を目指す。

 共和党の予備選にはペクレス氏や、英国の欧州連合EU離脱交渉で首席交渉官だったミシェル・バルニエ氏ら計5人が立候補し、党員らが投票した。ペクレス氏は移民受け入れに厳しい姿勢を示し勝利した。

 仏大統領選は来年4月10日にあり、決選投票は同月24日に予定されている。【パリ久野華代】

(続いてフランスアンフォの記事を拙訳と共に)

Les Républicains : Valérie Pécresse désignée candidate de la droite pour la présidentielle de 2022 

共和党ヴァレリー・ペクレスが2022年の大統領選挙の右派候補に指名

C'est une première dans l'histoire de la droite : une femme, Valérie Pécresse, a été largement choisie par les adhérents des Républicains à la primaire du parti samedi 4 décembre.

これは、右派の歴史の中で初めのことです。女性のヴァレリー・ペクレスは、12月4日土曜日の予備選挙共和党員によって広く選ばれました。

À l'annonce des résultats, samedi 4 décembre, la clameur. Valérie Pécresse a été investie candidate des Républicains pour la présidentielle de 2022 avec près de 61% des voix. Cette dernière a commencé par une phrase contre Emmanuel Macron dans son discours de victoire. "Je ne serai pas une présidente du zigzag qui dit à chacun ce qu'il a envie d'entendre. Emmanuel Macron n'a qu'une seule obsession : plaire. Moi, je n'ai qu'une seule passion : c'est faire." Candidat malheureux du second tour avec 39, % des voix, Éric Ciotti lui a affirmé son soutien sans ambiguïté. Valérie Pécresse devient la première femme à représenter la droite à la présidentielle. Son programme : une ligne ferme sur l'immigration et la sécurité, et libérale sur l'économie.

12月4日土曜日、喧騒の中、結果が発表されました。ヴァレリー・ペクレスは、 61%の得票を得て、2022年の大統領選挙の共和党候補となりました。彼女の勝利演説はエマニュエル・マクロンに対するフレーズで始まりました。「私は、誰もが聞きたいことを伝える優柔不断な大統領にはなりません。エマニュエル・マクロンの妄想は1つだけです。好かれたいだけ(いわゆる八方美人ということ?)。私には、情熱が1つだけあります。それは実行です」。決戦投票で39%の得票で敗者となったエリック・チオッティは、彼女に明確な支持を保証しました。ヴァレリー・ペクレスは、大統領選挙で右派を代表する最初の女性になります。彼女の政策:移民と安全保障に関する確固たる方針、そして経済に対する自由主義

Présidente de région depuis 2015
Une consécration pour celle qui est longtemps restée dans l'ombre des barons du parti : après HEC, puis l'ENA, elle entre au cabinet de Jacques Chirac à la fin des années 1990. Elle devient députée puis ministre de Nicolas Sarkozy avant de conquérir la région Île-de-France en 2015. Son objectif : faire oublier l'échec de son parti à l'élection présidentielle de 2017.

2015年から地域圏議長
党の男性実力者たちの陰に長くとどまってきた彼女を公認:HEC(パリ高等商業学校)、次にENA(国立行政学院)の後、彼女は1990年代の終わりにジャック・シラク時の政府に加わりました。彼女は、2015年イル・ド・フランス地域圏を征服する(地域圏議長になる)前に、ニコラ・サルコジ内閣の閣僚になりました。彼女の目的は、2017年の大統領選挙での彼の党の失敗を人々に忘れさせることです。

(ゼムールさんについては、思想はともかく、スキャンダラスな面が先行してしまっている感じがして、ブログに書く気になれませんでした。
このペクレス氏については、全く存じ上げなかったのですが、あの共和党の代表候補ということで、書き残したくなりました。
毎日新聞の記事が上手くまとめているので、特に付け足す点はありませんが、知日派という点は素直に嬉しいです。
画像はフランス大使館のHPからで、2016年の日本訪問時のものです。イル・ド・フランス地域圏議長という立場で東京都を訪問しておられました。
舛添都知事時代でしたが、他の画像で舛添さんの笑顔を見ていると、権力の移り変わりは残酷なものだと思ってしまいました。
また一緒に訪日していた、イダルゴパリ市長は結局大統領選はどうするのかな、と気になりました)