「共産党宣言」になぜか出てくるダンテさん

f:id:jetmk43:20200922083437j:plain

共産党宣言」表紙

 

マルクス エンゲルス
共産党宣言
大内兵衛 向坂逸郎 訳
1951年12月10日 第1刷発行
1992年5月15日 第63刷発行
岩波文庫 白124-5

1893年イタリー語版への序文 より

『宣言』は、資本主義が過去に演じた革命的役割をまったく公正に取りあつかう。最初の資本主義国家はイタリーであった。封建的中世の終結、近代資本主義時代の出現の姿を示す、ひとりの雄大な人物がいる。それは、中世の最後の詩人であると同時に近代の最初の詩人であるイタリー人、ダンテである。現在、1300年ころと同様に、あたらしい歴史時代が生まれようとしている。このあたらしいプロレタリア時代の生誕の時を告げるあたらしいダンテを、イタリーはわれわれにおくるであろうか?
  ロンドン、1893年2月1日
フリードリヒ・エンゲルス  p34

 

(なせここでダンテが出てくるのだろう。確かに詩人としては新時代を創ったが、政治的にはフィレンツェを追放され、「他人のパンのいかに辛(から)く、他人の家の階段の上がり下がりがいかに辛(つら)いことであろうか」という苦しい流浪の人生を送った人である。とりあえずイタリア人向けに、イタリアの国民的詩人を出しておけ、という、エンゲルスリップサービスであろうか?よくわからない)