ヨーロッパ中世文化誌百科 上

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図解 ヨーロッパ中世文化誌百科 上
編者 ロバート・バートレット
監訳者 樺山紘一
発行所 原書房
2008年12月8日 第1刷
 
1500年~1800年の間、中世は多くの場合否定的な見方をされていた。
それは中世が
人文主義者や古典主義者の基準を満たしていなかったため野蛮と見なされていた。
また
プロテスタントの観点から見ても嫌悪すべきものだった。
しかし
18世紀末から19世紀のロマン主義運動により、中世の見方は劇的に良い方向に変化する。
建築においても
19-20世紀にかけて疑似中世風建築、いわゆるゴシック・リバイバルが大量に建てられた。
文学においても
国民の言語学的宝庫を重視した結果、中世の文学が尊重された。
20世紀には中世のイメージをつくるのに、大学と映画が大きな役割を果たした。
 
中世にはローマ的・キリスト教的起源に加えて、ゲルマン的基盤があった。
 
新たなキリスト教帝国、すなわちキリストが支配するローマは、ヨーロッパの中世全体に付きまとっていた理想像だった。
シャルルマーニュ神聖ローマ帝国により、その夢を現実味のあるものにした。
 
中世において、世俗の建物は宗教的な建物に絶対にかなわなかった。
大聖堂と宮殿とをくらべると、それがはっきりする。
ただし都市景観においては、イタリアやフランドルやネーデルランドの市民や商業組織による建造物の方が人目をひく。