「ドイツ帝国」が世界を破滅させる(1 ドイツがヨーロッパ大陸を牛耳る)より

イメージ 1

ドイツ帝国」が世界を破滅させる 日本人への警告
堀 茂樹 訳
2015年7月20日 第6刷発行
文春新書 1024

ロシアは「自由万能主義」の道を走る西洋諸国に追随しなかった国。
国家には国家なりの役割があることが再確認されている。
ル・モンド」紙が繰り出す反プーチンでロシア嫌いの愚言が示唆するところとは逆に、西洋の抱えている問題は、いくつかのロシア的価値観のポジティブで有益な性格によって示されている。

ここ五年の間に、ドイツが経済的な、また政治的な面で、ヨーロッパ大陸のコントロール権を握った。
その五年を経た今、ヨーロッパはすでにロシアと潜在的戦争状態に入っている。
フランスワ・オランドは「ドイツ副首相」に成り下がっている。

最近のドイツのパワーは、かって共産主義者だった国々の住民を資本主義の中の労働力とすることによって形成された。
そしてその共産主義国は、かってたいへん教育熱心だった。

EUが提示する一般的な地図は各国の平等性を示そうとした地図であって、もはや現実を語っていない。
今やドイツより大きいな非公式の空間「ドイツ圏」が存在する
(ベネスクス・チェコオーストリア・スイス・スロベニアクロアチア
フランスはドイツに自主的隷属した国

南欧は被支配地域

ロシア嫌いの衛星国
ドイツ支配圏に進んで参加することでロシアを破滅させるという夢を持つことが出来る

デンマークはイギリスに近い

フィンランドソ連と共に生きることを学んだ国
フィンランドにとって、自分たちの国を植民地化しかねない強国はスウェーデン
(約15年前、フィンランドに行った時、たまたまテレビにプーチンさんが出ていて、フィンランドのジャーナリストの質問に真摯に答えていた姿が印象に残っている)

イギリスは離脱途上
大陸ヨーロッパのシステムより、「英語圏」の世界に属している

ハンガリーも離脱途上
ハンガリーは1956年にソ連の激しい弾圧を受けたのに?
ハンガリーソ連の圧力に正面から向かい合ったために、ロシア人の支配の下での自らの支配を誇ることが出来る

ウクライナは併合途上

存在するガスパイプラインのルートの到着点がドイツになっている
これはロシアと南欧にとっての問題

ウクライナは崩壊途上にあるシステム
中部ウクライナ人。ウクライナ語を話し、あまりロシア人が好きではなく、ギリシャ正教だけれども、極右には誘惑されていない人々が行動しない。それにより西ウクライナの台頭を生んでしまっている。

支配者たちのデモクラシー
ヨーロッパにおいては支配者たち専用の「ドイツ・デモクラシー」があり、そのまわりに、多かれ少なかれ支配されていて、その投票行動には何らかの重要性もないような、諸国民のヒエラルキーが形成されている

現在起こっている衝突が日本とロシアとの接近を停止させている
ところが、エネルギー的、軍事的観点から見て、日本にとってロシアとの接近は全く論理的である

(フランス好きとしては、ドイツの勢力の前に、フランスの威光も形無しなのが情けない)