
イタリア紀行(中)
ゲーテ 著
相良守峯 訳
2007年5月15日 第53刷発行
たちまちゲーテはその魅力に魅了される。
「人々がなんと言おうが、語ろうが、また絵に描こうが、この景観の美はすべてにたち超えている。海の渚と湾と入り江、ヴェスヴィオ、市街、洛外、城砦、遊楽場・・・」
「父が今日私の初めて見た事物から、とりわけ不滅の感銘を受けたことを、しみじみと思い起こした。・・・父はしょっちゅうナポリのことを思いこがれていたために、全く不幸になりきることが不可能であったということができる。」
フィランジェーリの屋敷の毒舌家の公女。
イギリス公使のハミルトンの家にいる20歳くらいの、ギリシャ風の服を着たイギリス婦人。
ナポリの不思議な女性たち。
結局大部分は職業の目印を備えていることを発見する。そして意外と勤勉に働く人が多いと主張したいくらいになる。ただし北方人との勤勉と比較するわけにはいかないが。
南方の、あらゆるものを与える気候によって、犬儒学派の哲学者なども存在しえたものである。