山下洋輔トリオ モントルーライブ 1976

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4月から、NHKの「坂本龍一 音楽の学校」を毎週観ています。
5月にはジャズということで、ゲストの一人に、ジャズピアニストの山下洋輔さんが出演されていました。
山下さんのエッセイは子供の頃からの愛読書です。また自分がパリにいたとき、たまたま訪仏されていた山下さんのコンサートを見に行ったこともあり、感慨ひとしおでした。
その番組の中で、山下洋輔トリオが、以前スイスのモントルーで演奏していた様子をちらっと流していました。
映像でも残っていたのか、と少し驚きました。山下さんのエッセイではこのコンサートの様子も活写されており、一度映像で見てみたかったのです。
早速ネットで探し(便利な世の中ですね)、通信販売でCDとDVDの二枚組を手に入れました。山下洋輔トリオ40周年ということで販売していたようです。
画面を見てまず思ったことは、「やはり若い」ということですね。
このときの山下トリオは、坂田明さんと小山彰太さんでした。この二人は、初期山下エッセイの主役的存在であるため、今まで文章だけでしかわからなかったのが、こうして映像で見ることができるのは幸せなことでした。坂田さんは昔「チョオチョ!」などという、「童謡を歌う田中角栄氏?」の物まねでCMに出演していました。
本職のモントルーの舞台では、細くてジーンズが似合っており、顔も精悍で締まっていました。とはいっても、「もーれつア太郎」の「デコッ八」のようなお顔はやはりユーモラスです(失礼)。
このコンサート自体は、1976年のモントルージャズフェスティバルの一夜で、当日はまずサン・ラというユニークなビッグバンドが出て、そのあと山下トリオ、そしてセシル・テイラーのバンドというプログラムでした。
エッセイの中では、「サン・ラに客が満腹してしまった」と書いてありました。しかしこの映像での山下トリオは、山下ピアノと小山ドラムでバトルしてたり、坂田アルトサックスやクラリネットなどを吹きまくっていたりで、熱かったです。
後半は、山下さんも汗だくで、ピアノの鍵盤上に汗がボタボタ滴り落ちていました。そして指で弾くだけでなく、ゲンコツやひじも使って鍵盤にたたきつけています。エッセイの中で、「公共のコンサートホールではピアノを貸してくれないところがある」と嘆いておられましたが、確かに管理者としてはあまり使わせたくないでしょうね(笑)。
このDVDでは2曲で終わっていますが、実際にはこの後に数曲あったようです。そこでは坂田さんがヴォーカルも披露し「コネコ、ネコノコ、オコゼノコ!」などと絶叫していたそうです(笑)。その場面の映像も残っているのなら入れてほしかったですね。
(参考図書 ピアノ弾きよじれ旅 山下洋輔著 徳間文庫)