樽の中の哲学者(西洋故事物語より)

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西洋故事物語
阿部知二 他編
河出書房
昭和42年7月5日再版発行

この本は、西洋を古代・中世・近世・近代・バイブルの5つにわけ、それぞれの時代の有名なエピソードとか言葉を、1~2ページで説明し、著者の方のちょっとした意見を付け加えている。
今まで知らなかった言葉だけでなく、何となく読んだ出来事や、意味の知っている言葉でも、改めてコンパクトに説明していただいているので、大変勉強になる。
この本自体、炭酸入りの栄養ドリンクのような感じだ。
西洋の出来事を、日本や中国のことと関連付けて説明している所も多くあった。
武勇に優れ、人心を掌握したが、途中で殺されたカエサルが信長・秀吉で、彼の次に初代皇帝となり、長期政権のもとになったアウグストゥスが家康、などどいう例えは、なるほど、と思った。
いろいろ引用したい部分はあるのだが、とりあえずそのうちどーでもいいことを取り上げる。
それは樽の中の哲学者という題の文章である。
アレクサンドロスの時代に、ディーオゲネースという、樽の中に住んでいる哲学者がいた。
この人がどのように樽の中に住んでいるのか、というのが、長年の疑問だった。(ほんとにどーでもいい疑問ですね)
自分の描いていた姿は、ちょうどゲームの「海賊危機一髪」のような感じかなと思っていた。
しかしこの本の中のイラストでは、大きい樽を寝かして、そこに座っている姿である。
大きな樽というのがあまり想像できなかったのだが、まあ確かにこうじゃないと体がたいへんですよね。
「海賊危機一髪」型ではやはり内部の体の移動が不自由だろうし・・・。
まあそれでも、外を移動したい時は、海賊型のような形の方が、横に寝かしてころころと楽に進んでいくことはできるかな、という気はする。