ローマ亡き後の地中海世界 上 二つの国境なき団体

第三章 二つの、国境なき団体
 
欧州地中海沿岸からアフリカ沿岸に拉致された人々を救った団体。
十字軍のように、歴史に名を残し、賞賛を得るようなことはなかったが、それでも軍事的後ろ盾もなく危険な地に通い続けた人々。
救出修道会。創立メンバーはプロヴァンス出身のジャン・ド・マタなどの3人の修道士。
法王インノケンティウス3世の援助を受け、出航。
現地での拉致された人々の悲惨な姿を目の当たりにし、持参した資金で買い戻せるだけの人々を無事生還させる。
救出騎士団。こちらも非軍事的な方法で、救出活動を行う。
いずれも寄付などで集めた持参金で救出したため、皮肉なことに、拉致が金になるということになり、ますますその拉致活動が多くなってしまうという矛盾を生んでしまう。
しかし、拉致されてしまった人々にとっては、無事生まれ故郷に戻れることは、何よりも大切なことであった。