トランセプト(翼廊)の無いサン・テティエンヌ大聖堂(ブールジュ、フランス)
更に左に移って写真を撮ります。
全体像がよくわかってきました。
ブールジュのサン・テティエンヌ大聖堂の、一番よく見掛ける角度になりました。
この大聖堂、他の巨大なゴシック大聖堂と違い、翼廊(トランセプト)がありません。
アミアンの大聖堂です。矢印の部分が翼廊となります。横に伸びる廊で、袖廊とも呼ばれます。
これにより、大聖堂を上から見ると、ラテン十字の形になり、キリスト教の象徴である十字架を大聖堂自ら体現することができます。
また内部構造においては、祭壇付近のスペースを広げ、信者たちの巡回を容易にします。
一方ブールジュの大聖堂の場合、巨大な身廊の両側に二重側廊が平行しています。
そしてその側廊の上に、急勾配の飛び梁が載っています。
内部の高さは一番外側の第二側廊が9メートル、第一側廊が21メートル、そして身廊が37メートルとなり、どっしりとしたピラミッド型の内部空間となっています。
この複雑さとユニークさゆえに、当時の大聖堂建築の主流にはなり得ませんでしたが、今となってはその独自性がブールジュの大聖堂の魅力となっています。
(大聖堂 文庫クセジュ を参考にしました)