柳田國男全集 6

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柳田國男全集 6
1989年12月4日 第1刷発行
ちくま文庫

妖怪談義
妖怪古井 言語と民俗との関係
おばけの声
幻覚の実験
川童の話
川童の渡り
川童祭懐古
盆過ぎメドチ談
小豆洗い
呼名の怪
団三郎の秘密
狐の難産と産婆より  「古い話が新しい衣装を着て、今でもまだその辺を歩いている。」
ひだる神のこと
ザシキワラシ より
「私が佐々木君の話に拠って『遠野物語』を書いた時には、誰もザシキワラシなどを問題にする者がなかった。それが現在では、とにかく一団の研究者が起こって、眼を皿のようにして解決の鍵を捜している。しこうして遠野は佐々木君の力で、学問のための一箇の高千穂峰となったのである。」
己が命の早使い
山姥奇聞
入らず山
山人の市に通うこと
山男の家庭
狒狒
山の神のチンコロ
大人弥五郎
じんだら沼記事
一つ目小僧
一眼一足の怪
片足神
天狗の話
妖怪名彙

一目小僧その他
いずれの民族を問わず、古い信仰が新しい信仰に圧迫せられて敗退する節には、その神はみな零落して妖怪となるものである。妖怪はいわば公認せられざる神である。p331

とにかく人の作った習慣、俗信、伝説であれば、人間的に意味がなければならぬ。今の人の目に無意味と見えるだけ、それだけ深いものが潜んでいるので、いわば我々は得べき知識をまだ得ておらぬのである。p269
一目小僧
目一つ五郎考
鹿の耳 で生贄の慣習
橋姫  大昔我々の祖先が街道の橋の袂に、祀っていた美しい女神
隠れ里
流され王 で異国神渡来伝説
魚王行乞譚
物言う魚 で魚が人語した伝説
餅白鳥に化する話 で的射や神霊去来の問題
ダイダラ坊の足跡 で巨人伝説
熊谷弥惣左衛門の話 で稲荷神の問題
おとら狐の話
片目の魚

解説
各段落ごとに最初と最後の文章を見ていけば、そのパラグラフの要旨や結論が簡潔に表現されており、短時間で柳田の意図が理解できる。p607

柳田は「ハイネの『諸神流竄記』と云う本がある。僕はそれを読んだ時に非常に感じた。それはギリシャの神様のジュピターを始めとしてマルス、ヴィナスと云うような神様が基督教に負けて、人の住まない山の中に逃げ込んだ。」と述べ、日本の幽冥教の中では天狗の問題が一番重要であるとしている。