サン・タンドレ要塞の威容(ヴィルヌーヴ・レ・ザヴィニョン フランス)

イメージ 1

フィリップ美男王の塔に登り風景を眺めると、画像のような堂々とした要塞に目を奪われました。
サン・タンドレ要塞です。
1362年から68年に建てられたそうですが、その目的は、

・その町を守り、11世紀に建てられた大修道院を保護した(現地の観光パンフレットより)
教皇庁を抑えるためにローヌ川の対岸に城塞を建設し睨みをきかせた(南フランス古代文明紀行 より)
教皇庁を強引にアヴィニョンに遷したのはフランス国王フィリップ4世であった関係上、フランスにはアヴィニョンを防御する責任があった(ヨーロッパの古城 より)
・ジャン善良王とシャルル五世が法王領を監視するために建造(須賀敦子のフランス より)
と様々な理由が書かれていました。
勝手に推測すると、フランス側の建前上では修道院の囲いをつくるだけだよ、ということにしたかったのでしょうが、それにしては巨大な双円塔で守られた城門のインパクトが強すぎます。
当時の法王をはじめとする親フランス派には守ってあげるよ、という無言のメッセージを送り、内外の反フランス派に対しては威嚇する、という狙いがあったのかもしれません。
なお、フィリップ4世(美男王または端麗王)が建てたかのような記述も見かけましたが、フィリップ4世は1314年に亡くなっており、遺志とかはどうかわかりませんが、直接の建造には関わっていません。