フランス現代史 隠された記憶 第一部 第一次世界大戦

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フランス現代史 隠された記憶
戦争のタブーを追跡する
宮川裕章 著
2017年9月10日 第一刷発行
ちくま新書 1278

フランスの第一次、第二次大戦に伴う様々なタブーについて、現代でも関わっている人たちの証言をもとに構成されています。ジャーナリストらしいわかりやすい文章で、重い内容でもスラスラ読み進めることが出来ました。

第一部 第一次世界大戦

第一章 撃ち込まれた十四億発 不発弾処理
フランスで「大戦」と言えば、通常、第一次世界大戦を指す。その死者数は150万人に達し、第二次世界大戦の三倍近くに上る。
フランス各地の役場の近くには必ず両大戦の戦没者慰霊碑があるが、どこへ行っても、圧倒的に第一次世界大戦戦没者の数が多い。

第二章 永田丸の記憶 同盟国だった日本とフランス

第三章 反戦の英雄 理想となったジャン・ジョレス
ジャン・ジョレスとは?
1859年生まれ
政治家、ジャーナリスト
マルクスの影響を受けつつも、それとは一線を画す、ゆるやかな革命の理想を掲げ、非暴力主義の立場をとった。
国家主義軍国主義に強硬に反対する。
1914年7月31日、パリ2区のカフェ「クロワッサン」で国家主義者の凶弾に倒れる。

「現代の政治家に、教養の点でジョレスに比肩する人はもういない。だが一方、ジョレスは一度も権力の座に就いたことがないからこそ、理想を体現し続けられる」p78

ジョレスの名のついた通りや広場は2013年時点で、フランス各地で2345市町村にあり、小中学校、高校は350校を超える。
(確かに、パリをはじめとするフランス各地の都市の通りの名前で、ジャン・ジョレスというのはよく見かけました)