ランボー作、堀口大學訳の「居酒屋みどり」で、を考える(その2)

久々で僕は楽々、両脚を、テーブルの下にのばしたり、
壁紙の暢気な模様を眺めたり。
そこへあの、目もと涼しく乳房(おっぱい)のやけにでっかい別嬪が
出て来たのだからすばらしい、

Bienheureux, j'allongeai les jambes sous la table
Verte : je contemplai les sujets très naïfs
De la tapisserie. - Et ce fut adorable,
Quand la fille aux tétons énormes, aux yeux vifs,

最初の二行を直訳すると
「幸せな気分で、緑のテーブルの下に脚を伸ばし、壁紙のとても素朴な題材を眺めた」
という感じになるのでしょうが、詩ゆえ少し変化を付けて訳していますね。
ここでもソネットの形式にならい、tableとadorable、naifsとvifsが韻を踏んでいます。
「乳房のやけにでっかい別嬪」と訳していますが、堀口大學の鑑賞ノートでは、「リューベンスの絵に見るように、このあたりのフラマン美人は肉体の豊満なので有名」と書いてありました(笑)

(続く)