播磨文学紀行 播磨路の「万葉集」

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播磨文学紀行
橘川真一 著
神戸新聞総合出版センター 発行
姫路文庫 5
1996年10月25日 第1刷発行

播磨地方にゆかりのある文学作品を紹介しています。

播磨路の「万葉集
きらめく古代の海の旅

わたつみの海に出でたる飾磨川絶えむ日にこそ吾が恋止まめ

新羅への使者の恋歌
飾磨川の流れが止まるようなことがあったら私の恋も止まるだろうと、絶える事の無い恋を歌っている

風吹けば波が立たむと伺候(さもらい)に都太(つだ)の細江に浦隠り居り

山部赤人反歌である。
風に吹かれて津田の細江に逃げ込んだ時の様子を歌ったものである。
この飾磨川には様々な説がある。
飾磨には市川、野田川、船場川、夢前川が流れ込んでおり、のちに付け替えられた夢前川を除いて、どれであってもおかしくない。

船場川に架かる思案橋橋詰に「風吹けば・・・」の歌碑があるのと、少し西に行った所にある津田天満神社境内に、小さな山部赤人神社、赤人賛歌碑があるだけである。

家島の歌もあり

家島は名にこそありけれ海原を吾が恋ひ来つる妹もあらな