カシュガルの道

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スザンヌ・ジョインソン 著
中村久里子 訳
2016年3月30日 初版第1刷発行

図書館でこの本を手に取り、表紙をめくると、天山山脈あたりの地図がありました。
1923年当時の地図で、当時の新疆とソビエト連邦国境付近になります。
旅行記好きの自分はすぐに興味がわき、この本を借りてしまいました。
中身は旅行記ではなく、小説です。1923年のカシュガルでの女性伝道団の話と、現在のイギリスの女性の話が交互に述べられていきます。
カシュガルではイスラムの中でのキリスト教伝道団の困難な生活が描かれます。
イギリスでは世界を飛び回っていた女性に知らされた謎の身内の死。そしてイエメン出身の男との出会い、などが述べられていきます。
そして話が進むにつれ、二つの話の接点が重なっていきます。
過去の話が現在に繋がっていく過程にぞくぞくしてきました。
当時、そんな危険なところに女性伝道団などがいたのかと驚かされるのですが、そのモデル自体は存在します。その女性3人の伝道団は1890年代後半から約40年間、万里の長城からゴビ砂漠、甘粛や新疆まで旅を続けたそうです。そして現在では、彼女たちに敬意を表し、ゴビ砂漠での250キロメートルにわたるウルトラマラソンが毎年開催されているそうです。