歴史の中で、信仰が変質したり崩壊したりすると、その後にしばしば革命的な事件が起こる。
それらのイデオロギーは、それぞれが標榜する価値において多様だが、たいてい物理的に暴力的なものとなる。
カトリシズムに特徴づけられるフランスがただ一つ存在しているのではない。
そうではなくカトリック的フランスが二つあるのだ
①18世紀の中葉にはすでに教会を捨ててしまったカトリック的フランス
②1960年頃まで信仰を維持していたが、そのあと遂に熱心さを失って、これまた無信仰に沈んだカトリック的フランス
ユーロという単一通貨の採用という、一つの経済的プロジェクトへの賛同を決定したのは宗教ではなく、宗教の退潮であった。
退潮いちじるしく、消失していく宗教の代替物としてひとつのイデオロギーが求められたのであった。
そのイデオロギーとはひとつの偶像的通貨の創出であって、それをユーロと呼んでも、金の仔牛と呼んでも大して変わりは無い。
ゾンビ・カトリシズム
シャルリのデモ参加者の分布において、労働者の無関心が管理職の熱心さ以上に決定的であったことがわかる。
あの大デモの主要テーマ
「私はシャルリだ、私はフランス人だ、私には、自分のカトリシズムに対するのと全く同様に他者たちのイスラム教に対しても冒涜する権利があり、さらにその義務さえある」
ストラスブールはデモ参加者の率は高くなかった。
これらの県は1801年の政教協約の規則のもとにあり、冒瀆への権利を認めていない。
デモ行進を実施させた決定要因は、マーストリヒト条約批准への賛成票を投じさせた決定要因と同じだ。
強いモチベーションを示した社会階層は
公共部門と民間部門の中産階級
フランス社会を特徴づける宗教的混乱の中に、次の4つの基本的条項が見られる
①無信仰の一般化
②被支配的状況におけるマイノリティの宗教であるイスラム教への敵意
③被支配的状況にあるそのグループの内部での反ユダヤ主義の台頭
④その反ユダヤ主義台頭に対する、支配的世俗社会の相対的無関心