美術で読み解く聖人伝説

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美術で読み解く聖人伝説
秦 剛平 著
2013年2月10日 第1刷発行

この本は「黄金伝説」という本をベースにして、マリアとイエスキリスト、十二使徒、聖人・聖女たちが、いかに美術で取り上げられたかを紹介したものです。
文庫版ゆえ、画像自体は小さいですが、豊富に取り上げられています。
その中では聖遺物崇拝や奇跡については批判的に取り上げています。

黄金伝説の著者はヤコブス・デ・ウォラギネ
13世紀の修道士
1267年ごろに「黄金伝説」を完成させる
この「黄金伝説」の著作目的は
聖人や聖女たちの信仰と生き方を詳しく語ることで、それを読むものたちの信仰心を高揚させること。
そして聖人や聖女たちを崇敬の対象とさせ、また彼らと関わりのある聖遺物をも崇敬の対象とさせるためであった。
ラテン語で書かれた「黄金伝説」は、中世で最も読まれた宗教書の一つ
聖人や聖女の史実に関心を払うことなく、多くの奇跡物語は荒唐無稽なもの。よって16世紀以来、エラスムスをはじめとするユマニストや学者たちから批判される