バッハ ロ短調ミサ曲

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バッハ ロ短調ミサ曲
クリストフ・ヴォルフ 著
礒山雅 訳
春秋社 発行
2011年10月25日 初版第1刷
 
この「ロ短調ミサ曲」はミサ曲という最古にして最も崇高な集合的音楽形式の中に、自分の声楽技法を、美的にも神学的にも練り上げられ大胆に彫琢された形で総括するという、創造上の冒険を行っているから、第一級の記念碑的芸術作品とみなされている。
 
のちに「ロ短調ミサ曲」となる「キューリエ」と「グローリア」はザクセン選帝候兼ポーランド王、フリードリッヒ・アウグストス1世の服喪期間につくられた。
そしてフリードリッヒ・アウグストス2世に作品を献呈しようとする。その際、ラテン語のミサ曲は、ルター派礼拝で認可されている形態でもあり、同時に、カトリック世界で実践されたフィグラール・ミサ曲の日常的な形を示すものであった。
バッハはルター派信徒だったが、ローマ・カトリックを奉ずる領主に上呈したミサ曲であった。
 
カンタータの作曲は新しい詩文が作曲の対象となったが、ミサ曲ではそうでなかった。
ミサ曲は、伝統から自由になることはできなかった。
バッハは伝統を究める道を選ぶ。
自作を含む既存の範例と取り組み、さらにそれを発展させた。
 
ローマ式ミサ・テキストにおける聖句の引用は、旧新約聖書ラテン語訳テキストに広く基づいている。翻訳は4世紀の終わりごろ、教父ヒエロニムスが手がけて、1570年のトリエント公会議で規範化された。
キューリエ(あわれみの賛歌)
グローリア(栄光の賛歌)
クレード(ニカイア・コンスタンンチノーブル信条)
ザンクトゥス(感謝の賛歌)
アグヌス・デーイ(平和の賛歌)