恋する王様(名画で読み解く「世界史」より)

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この絵は、アングルによる「グランド・オダリスク」です。
オダリスクとは、スルタンの寵愛を受ける女性のことです。
彼女たちはハレムにいましたが、その誘惑に負けて、スルタンもハレムに籠もりがちになってしまいました。そして女性たちが国政を操ったり、外国との陰謀をめぐらしたそうです。それがオスマン帝国衰退の一因にもなりました。
この絵はあくまで西洋人のイメージによるものです。
このオダリスクの表情はラファエッロの「若い婦人の肖像(ラ・フォルリーナ)」の影響が見られます。
 
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こちらは「アッバース1世とその小姓の肖像」と呼ばれる絵画です。
アッバース1世は、オスマン帝国に隣接するイランのサファヴィー朝の16世紀の王です。
これは王が生前に描かせた唯一の肖像画です。しなだれかかる人物は女性のようですが、実は美少年です。
まあローマのハドリアヌス帝や日本の織田信長など、そういう話はよくありますので、特に珍しいことではありませんが、生前に描かせた唯一の肖像画というのは驚きです。
まあ写真などの無い時代、愛する人との楽しいひとときを保存したかったという、王のいじらしい気持ちかもしれません。
 
(画像はwikiからです)