逆都市化するヨーロッパ

ヨーロッパでは、大都市の人口が減少する一方、農村部の町や村の人口が増加する傾向がある。
こうした「逆都市化」の理由として
①工業の中心がかつての重工業から、ハイテクなどを主体とした軽工業に移り変わってきた
②交通・通信の発展により、大都市地域への集中の有効性が失われてきたこと
③自家用車の普及によって、大都市の意外な不便さ(駐車スペースの不足や交通渋滞など)にひきかえ、小さな町村のアメニティ(実際の環境面の良さに加えてイメージの良さ)が人をひきつけていること
などがあげられる。
 
歴史的建造物や町並みの保存は、もともと文化遺産を後世の人に引き継ぐことにすぎなかった。
しかし現在では、経済的な面でも、歴史的な町並みの保存・再建が地域の活性化をもたらしたことが確認できるようになった。
 
(ヨーロッパの町と村 まえがきより)