フィレンツェ史(下)

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フィレンツェ史(下)
齊藤寛海 訳
2012年4月17日 第1刷発行
 
国々は
秩序のある状態から無い状態へ
また新たに
秩序のない状態からある状態へ
と移行する
こうして常に
よい状態から悪い状態へ
そして
悪い状態からよい状態に上昇する
なぜなら
武勇は平穏を生み出し
平穏は無為を
無為は無秩序を
無秩序は破滅を生み出す
同様に
破滅からは秩序が
秩序からは武勇が、
武勇からは栄光と幸運が生まれる
 
1456年8月24日、イタリアを巨大で濃密な雲を伴う暴風が襲った。
疑いも無く神は、トスカーナを罰したのではなく、むしろそれに警告を与えたのである。
人々の間にご自分の力の記憶をよみがえらせるためには、この小さな見せしめで十分だと思われたのである。
(訳注には、このような神の摂理という観点からの記述は、マキァヴェッリの歴史的な発想に基づく通常の記述とは調和していないことが注目される、とある)
 
共和国にとって党派や派閥をともなう分裂は悪であるが、
党派は派閥をともなわなずに続いた分裂は善である
名声を手にするために
公的な方法は
戦闘に勝利する
都市を獲得する
迅速かつ慎重に使節の役目を果たす
賢明かつ適切に共和国に助言する であり
私的な方法は
誰彼なしに市民に恩恵をばら撒く
彼らを当局の手から庇護する
彼らに金銭の援助をする
不公正なやり方で要職をあてがう
見世物や公的な贈り物で下層民の機嫌を取る
こういった私的な方法から、党派や派閥が生まれてくる
一方公的な方法は、公共の利害に基づいているから、私的な利害のために追従してくる支持者がいないので、共和国にとって益となる。
(結局民主国家という名の衆愚国家は、党派や派閥の不毛な対立に終始してしまっている。今のわが国はどうか?所詮ほかの国もそんなものか?)
 
ロレンツォ・イル・マニフィーコの活躍
塩野七生先生の本を読んだ後なので、劇的な内容でも、どうしても淡々と感じてしまう(笑)。