「カミ―ユ・ピサロと印象派」展にて③

イメージ 1
 
この絵は、ピサロによる「ポール=マルリーのセーヌ河、洗濯場」です。
ポールマルリーと言えば、シスレーの一連の作品「ポールマルリーの洪水」を思い出します。
それには洪水という災害にもかかわらず、どこかのんびりした風景が描かれていました。
その当時の建物が、現在にも残っているのには驚かされました。
こちらピサロの作品は、セーヌ河の洗濯場を描いています。
手前の女性が洗濯へと向かうのか、あるいは行った後か、という感じですね。
今ではセーヌ河で洗濯とは考えられませんね。
 
背景には煙を吐く工場が描かれています。
ピサロの絵画には、このような工場の姿がよく描かれています。
このあたり、少し前の風景画家、コローやミレーとは違いますね。
時代的なものもあると思いますが、モチーフとしても面白かったのか、またピサロの思想的なものもあったのか、興味深いところです。
工場など近代化による環境破壊のせいで、セーヌ河の洗濯場も無くなっていったのかと思うと、皮肉にも感じます。
 
(画像は兵庫県立美術館のHPからです)