
村上春樹 雑文集
新潮社 発行
2011年1月30日 発行
村上さんが1979年から書いてきたいろいろな文章。
序文から、あいさつ、音楽について、「アンダーグラウンド」を巡って、翻訳、人物、そして小説などについての雑文が掲載されています。
例の「壁と卵」のスピーチ。
エルサレム市へ旅立つ時、ビデオで何度も映画「真昼の決闘」を見て、それから意を決して空港へ向かった村上さん。
村上さんの結論ではNorweigan WoodはあくまでNorweigan Woodであって、それ以外の解釈はみんな多かれ少なかれ間違っているのではないか、とのこと。Norweigan Woodという言葉の規定不能な響きがこの曲と詞を支配している。
ロング・グッドバイの翻訳について。
翻訳というものは家屋にたとえれば、25年で補修にかかり、50年で大きく改築あるいは新築するものではないかとのこと。
もちろん古い翻訳が悪いというわけではない。選択肢があるのはいいこと。
安西さんが村上家の和室の襖絵のために、富士山と魚を描いた。
絵心のない人はそれを見て、「プリンと煮干しの襖絵ですか」と言った。
同じく安西画伯の「平成版 普通の人」より
⑱子どもの頃はクリスチャンだったのに(胸に手をあてる)
⑲きっとデパートに勤めていた母の血がいけなかったのだわ(もっと泣く)
⑳いけない そういう考え方は差別だわ(もっともっと泣く)
次のコマでは男が起きてズボンを穿きながら
「いやあメンゴメンゴ」