ハドリアヌス帝の骨室(サンタンジェロ城、ローマ)

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サンタンジェロ城内部の二階あたりを歩いていきます。
その途中、写真のような場所が気になったので、プレートに何が書いているか全くわからなかったのですが、撮っておきました。
帰国後、須賀さんのエッセイを読み直すと、ローマ皇帝ハドリアヌスの辞世の句が書いてあるプレートを見つけた、と書いてありました。
その原文と、この写真をパソコンで拡大した画像(デジカメは便利ですね)を比べてみると、見事内容が一致しました。
地下の螺旋通路を通らなかったのは悔しかったのですが、こちらはヤッターという感じでしたね(笑)。
その原文は
 
Animula vagula,blandula
Hospes comesque corporis,
Quae nunc adibis in loca
Pallidula,rigida,nudula,
Nec ut soles dabis iocos.
  
原文を読むと、ula音で韻を踏んでおり、柔らかいリズムが刻まれています。
そして日本語訳は
 
たよりない、いとおしい、魂よ、
おまえをずっと泊めてやった肉体の伴侶よ、
いま立って行こうとするのか、
青ざめた、硬い、裸なあの場所へ
もう、むかしみたいに戯れもせず・・・・・・
 
となるそうです。
ここがハドリアヌス帝の骨室となっていたようです。
 
(白水Uブックス  ユルスナールの靴 より 皇帝のあとを追って を参考にしました)