ラファエロ画集

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ラファエロ
クリストフ・テーネス 著
タッシェン・ジャパン

ラファエロについての画集・解説書。
たまたま図書館で借りていたのだが、ちょうど京都のボルゲーゼ展に行った時に売店で見つけたのでこれ幸と買ってしまった。
ラファエロの自画像集から始まり、初期の傑作、フィレンツェ時代、ヴァチカン時代、パトロンであったアゴティーノ・キージについて、肖像画、建物などなどの章に分けて豊富な画集とともに論じている。
変遷する自画像、聖母子像や聖人像、壮大なヴァチカンの壁画、人物の特徴をよくあらわした肖像画と、短い彼の人生における珠玉の作品の変遷を手軽に見て取ることができた。
改めて一通り鑑賞しても、ミケランジェロダヴィンチのように難解なところは少なく、万人に親しまれる画家だなということが実感できる。
「ガラテアの勝利」において中央に位置するガラテアの美しさ、晩年(といっても40前だが)の自画像に見る童顔の中に憂いを含んだ表情、極めて人間くさい教皇ユリウス2世やレオ10世の姿、身近に感じる聖母子や聖人たち、などなど現代までその魅力は色褪せていないことには驚かされる。

(写真は画集の表表紙と裏表紙の一部です)