ボルゲーゼ美術館展にて

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先日、京都まで「ボルゲーゼ美術館展」を見に行きました。
場所は京都国立近代美術館でした。
なにか京都というと、よく京都市美術館に行っているので、いつもこのあたりばかりだなあという気がします。
今回は、なんといってもちらし表のラファエロの「一角獣を抱く貴婦人」です。
この絵自体、もともとはかなり違った形で残っており、修復の段階で、昔の姿があらわれてきたものだそうです。
なんだか時空を超えて、現われてきた絵画という気がします。
特に癖のなく、美しい肖像画ですね。
ラファエロの他の肖像画、例えば「アニョロ・ドーニ」「マッダレーナ・ドーニ」夫妻の肖像画などは、結構人間性までも深く描いているのと比べると、純粋に美しく感じます。
塩野七生さんの「銀色のフィレンツェ」では、この絵の宝石のネックレスを取り上げていました。
主人公のヴェネチア貴族の男が愛人の女性に買ってあげるのですが、結構高い宝石だったようです。
ラファエロの弟子が、まだ存命中のラファエロのことを思い出す場面では登場人物と一緒になって、ラファエロを回顧してしまいます。

入口すぐにはちらし裏の左下にある「枢機卿シビオーネ・ボルゲーゼの胸像」がありました。
さすが「気にいった美術品を得るためには手段を選ばなかった」人らしく、貪欲そうな感じですね(笑)。
しかしこういった人がいたおかげで、貴重な美術品が散逸せず、残してくれているのだから、後世の人間としては深く感謝しなければいけません。

前回ローマに行った時は、ボルゲーゼ美術館の入り口には入ったのですが、見学時間が限られているため、やむなく断念した思い出があります。
今年の年末、ローマに行く予定ですので、その時はなんとか時間を都合して、前もってちゃんと予約して見学したいものです。