明日へのチケット(イタリア・イギリス映画)を観て

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この映画は、三人の監督による、三話のオムニバス形式をとっています。
三つの話は一応別々なのですが、舞台はインスブルグからローマまでの電車の中、という共通点があり、重複している登場人物もいます。

第1話は、老教授がインスブルグの会社で世話になった秘書に対する切ない想い、を中心に描いています。
美しい彼女(写真の人物です)を列車の中で思い、空想する、教授の微妙な心の動きが繊細に描かれています。
ちなみにこの女優さんは、サルコジ大統領夫人であるカーラ・ブルーニさんの姉だそうです。

第二話は、傲慢でうるさいおばさんと、彼女に同行する若い男を軸とする話です。
本当に嫌なおばさんなのですが、他の客との誤解もあったりして、彼女を全くの悪としていないところに、少し救われるような気がしました。

第三話は、サッカーのチャンピョンズリーグの応援に、スコットランドからローマまで行く、我らがナカムラで有名なセルティックの、三人のサポーターが主人公となります。同乗しているアルバニア人家族との接触に伴う、三人の心の変化の過程と、それぞれの葛藤が面白いです。

それぞれの主人公を脇で支える、車掌役やアルバニア人家族の演技も味がありました。
列車という、閉ざされながら動いていく空間の中での、凝縮された人生模様を見ていると、立場がそれぞれ異なっても、それぞれ様々な想いをもって人々は生きているのだなあ、と、当たり前のことを改めて気づかせてくれる映画でした。