フランスの庭 奇想のパラダイス

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フランスの庭 奇想のパラダイス
横田克己 著
松永学 他 写真
新潮社
2009年1月25日 発行

前回の「世界の名建築100選」に続き、再びシャルトル絡みの表紙です。
しかしこちらは大聖堂ではなく、「ピカシエットの家」です。
以前「フランス人のケチの美学」を読んだときに、「ピカシエット」という単語が出てきました。
その時には、このピカシエットの家と同じような発音だなあと思っていました。しかしケチの美学の中では「パーティなどでただ食いをする人」という意味だったので、単に発音が似ているだけの、異なる単語だと思っていました。
しかし今回はじめて同じ単語だと知りました。
この表紙の家や庭の草食の原料が、拾い集めた陶器やガラスの破片だったそうです。つまりただ食いと同じようなニュアンスなため、その「ピカシエット」が引用されたとのことです。

このことからもいえるように、著者の方の庭園に対する立脚点は、いわゆる一般的なものとは少し違ったユニークなもののようです。
フランスの庭園の特色として、次の6つの点を挙げておられました。
それは
奇想的気分を含んだ独創性
ルネサンス以来のグロテスクな思考
植栽に依存しない構築性
幾何学的意匠
エキゾチズムへの憧れ
時代を先導する美と技術への執着
です。
そういうわけで、かの「シュヴァルの理想宮」にも当然触れておられ、他の様々な、有名か無名かはともかくとして、庭園を紹介していてくれていました。