「白夜の旅」 東山魁夷 著

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白夜の旅
東山魁夷 著
新潮社 発行
昭和38年5月15日 発行
昭和48年8月30日 11刷

画家として著名な東山魁夷氏による、北欧諸国への、スケッチを兼ねた旅。
ご本人の6行だけのあとがきでは「のんきな旅行記」と書いておられた。
発行日から察するに、旅行したのは昭和37年だと思われる。
まだ欧州便はアンカレジ経由で、スチワーデスも途中で着物に着替えてくれるような時代だった。

この本を読む限り、北欧は清潔な街、絶景のフィヨルドなどの美しく豊かな自然、治安がよく人々も親切、つつましくとも豊かな文化、高福祉社会(高負担だが)などといいことづくめである。
それでも逆に「日本のような世界で一番美しい国からわざわざ来られて・・・」などと言われているのは面白い。
北欧と比べると、日本の街の方がよっぽど汚いと思うが、景勝地だけのきれいな写真なら日本も美しい国と言われるのも納得できる。「隣の芝は青く見える」の典型かもしれない。

(写真はこの本の中表紙です)