世界の都市の物語 フィレンツェ

世界の都市の物語 13 フィレンツェ
若桑みどり 著
1994年10月25日 第1刷
文藝春秋

世界の都市の物語シリーズ、13巻目で、フィレンツェを紹介している。
他の街では、パリ・ニューヨーク・バルセローナ・ローマなどがあった。
どの街も、街の規模が大きく、歴史・文化など紹介するにしても多岐にわたり、執筆者の苦労が偲ばれる。
なんとか、大まかにまとめるか、それともある事柄にこだわって著述するかしかないようだ。
ローマなどでは、ある章では、ミケランジェロピエタのマリアが、聖母マリアではなく(何せ若すぎる)マグダラのマリアだ!という著者の方の主張が述べられ、そしてマグダラのマリア論が展開されていたように思う。

このフィレンツェの巻では、まず丘の上の街であるフィエソレ(フィエーゾレ)の紹介からはじまっている。
なにせ、この小さな街が、もともとフィレンツェの元になったようなので、どうしてもはずせないのだろう。
そして、フィレンツェの様々な文化的、歴史的事象を網羅している。
かなり内容は濃いが、あとがきで「これはまだ序の口である」と書いておられたので、研究すれば、さらに奥が広がっていくのだろうなと思う。
フィレンツェに興味のある方、訪問した方、そしてもちろんこれから訪問する人にもお勧めの本である。