ギリシャ・ローマの戦争

ギリシャ・ローマの戦争
ハリー・サイドボトム 著
吉村忠典・澤田典子 訳
岩波書店
2006年3月28日 第1刷発行

この本のキーワードは「戦争の西洋的流儀」という言葉である。
これは、作戦としては、正面から決戦を臨む。
そして勝敗を決するものは、鍛錬による勇敢さ。
戦士は政治的自由を持った土地所有者。
そのような、美化された形の戦争が、ギリシャからローマ、そして西洋の中世からルネサンスに開花し、近代西欧へと伝わったという考え方である。
そして現在でも、欧米諸国とそれ以外の国々との戦争時に見られる考え方となったいる。
筆者はそれを単なるイデオロギーとみなし、改めてギリシャ・ローマの戦争を様々な面から、簡潔に述べている。
昔の文献だけでなく、映画「グラディエーター」から、マルクス・アウレリウス帝の記念柱まで、様々な作品から、戦争をどのように取り扱ってきたのかを再検証している。