ローマ人の物語ⅩⅣ 司教アンブロシウス

ユリアヌス帝が亡くなった後、ヨヴィアヌス帝が七ヵ月後に死体で発見された後、蛮族出身のヴァレンティアヌスが皇帝についた。
10年間、蛮族相手の戦いにもかかわらず、何とかローマ帝国を持たせたが、彼は54歳で急死する。
後を継いだヴァレンス帝。
しかしフン族という強力な勢力により、さらにローマ帝国周辺は不安定な情勢となる。
そしてハドリアノポリスでの敗北。その中でヴァランス帝も亡くなる。
その後のテオドシウス帝、ゴート族の移住を公認する。
蛮族に、より支配されるローマ帝国
そして親キリスト教路線の復活。
アンブロシウスは「高級官僚」の道を捨て、司教への道を選択する。
巧みに権力者を取り込んでいくアンブロシウス。
異端や異教の排斥。
多くのローマの神々の排斥。
現代から見ると美しい芸術作品である、神々の像も、打ち壊されていく。
たまに出てくる完全な像は、ひょっとすると、こっそりと保存されたのではないかという「仮説」。
そしてキリスト教ローマ帝国の国教となる。
更に洗礼を受けた以上は、皇帝でさえ、一匹の羊。
アンブロシウスの鮮やかな手腕。
一神教ゆえ、守護神ではなく、多くの守護聖人を持つキリスト教
これもアンブロシウスの考えたことといわれる。

395年、ローマ帝国は、完全に東西分割され、最後の世紀に入っていった。