ル・ノートルを1ダース

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ル・ノートルを1ダース
パリと近郊の美しい庭園を訪ねて
西岡真里 著
文芸社
2005年4月15日 初版第1刷発行

むかし、ル・ノートルという庭園家がいた。
ヴェルサイユ宮殿の庭園を手がけた人らしいが、その他のイル・ド・フランスの庭園でも、やたら名前が出てくる。
この本を通して、パリ市内及びその周辺では、この本の題名の通り12もの庭園を手がけたことをはじめて知った。
そこをすべて訪れた人による旅行記である。
日本の地方銀行に勤めながら、休暇をとり、フランスまで何度か足を運び、踏破したとのこと。
その成果を、ちゃんとした本にまで昇華させているのには、うらやましく感じる。
内容については、その庭園の詳しい由緒や歴史的なことよりも、どんな印象だったか、そしてどのようにそこまでたどり着いたかを、詳しく書いておられる。
自分も知らない場所に行く時には同じような苦労をしているので、親しみがわいた。
ちなみに、この方の場合、ヴォール・ヴィコントでは、土産物屋で値段をごまかされそうになったりしたようなエピソードも書いておられた。
またリュクサンブール公園では20代の、チュイルリー公園では70代の男性にナンパされかけ、ショックを受けておられた。
ご本人はたいへんだったと思うが、読んでいる方としては面白い。

(写真はこの本の裏表紙です。上からソー公園、シャンティイ、ヴォール・ヴィコントです。)