「ジャッカルの日」について

今日、深夜に録画しておいた映画「ジャッカルの日」を見る。
以前途中から見たことはあったのだが、通して見るのは初めてだった。
ご存知の通り、ジャッカルという名の殺し屋が、ドゴール暗殺を企てるという話なのだが、導入部として、1962年8月22日、実際にドゴールが暗殺されそうになった事件が描かれている。
アルジェリア独立に反対した、OASという組織が企てたものだった。

その後は勿論フレデリック・フォーサイスの創作なのだが、イギリス・イタリア・フランスとまたにかけて、潜入していくのが面白い。
今のEUだったら、イギリスはともかく、イタリアからフランスは容易に国境越えができるので、捜査当局にはかえってたいへんな時代だと思う
そしてゴルゴ13の例のように、女性を惚れられる場面もあり、さすが一流の殺し屋である。
また美人女性活動家(処刑されたOASの活動家のフィアンセだった)が、フランス閣僚のスパイとして色仕掛けを命ぜられるのは哀れである。

それにしても、殺し屋の映画といえども、現在の映画のように、やたらめったら暴力シーンが出てくるわけではなく、最低限に抑えており、好ましい事である。
今回の放送ではカットされていたが、ジャッカルが人殺しをする際、その情景は映さず、音だけで、床に横たわるオマールえび?が小さく映っていた場面もあったように思う。

アメリカ映画のようだが、パリの情景も多く出てくるので、それだけでも懐かしい。
現在のアメリカ映画は、どうも体質に合わない。
ジャッカルの日のような殺し屋の物語を、スマートにさらっと描けた、古きよき時代の映画は本当にいいものである。