ローマ人の物語Ⅶ(カリグラ)

ローマ人の物語擦茲蝓⊆,蝋陳襯リグラについて。
カリグラといえば、子供の頃、映画化されていたのを思い出す。
実際にその映画は見ていないが、おどろおどろしい内容の広告や、ビートたけしさんの「カリギュラカリギュラ!」というギャグが、純朴な?子供だった自分にとっても不健全な印象を残している。
この映画自体は、「百年も後に巷間の噂を集めて書かれた、スヴェトニウスの『皇帝伝』から材を取ったものにちがいない」とのこと。
皇帝伝は、イエローペーパー的なところもあったらしいので、かなり誇張された部分もあったんだろうな、と思う。
それでも、後年悪口を言われてもしょうがなかった治世だったかもしれない。
ティベリウスが残した国の財産を、民衆への人気取りと、自分の欲望のはけ口として、減税や大競技場の催し、贅沢な建造物でなくしてしまい、たちまち赤字にしてしまう。
赤字を補うための新税に対する民衆の不満。
そして自分自身の神格化。
また国家反逆罪という元老院攻撃。
そんなどうしようもない状況で、近衛軍団の大隊長のケレアはカリグラを暗殺する。
ケレアはカリグラが小さい、かわいい盛りから知っている。
それこそ「ちっちゃな軍靴」を履いてよちより歩いていた時から。
「まるで、身内の不幸は身内で始末をつけるとでもいうように」という推測は一番的を得ているのかなと思ってしまう。
その後、カリグラの像は破壊され、新しい皇帝クラウディウスが担ぎ出されるのであった。